【第1話】コーキ探偵、「ゲーム課金で10万円溶かした大学生」の相談を受ける

お金の罠

Amazonのアソシエイトとして、コーキの社会人前夜相談室は適格販売により収入を得ています。

物語パートに登場する人物・団体・学校名・地名・事務所名等は、特記のない限り創作上のものです。実在の人物・団体・地域とは関係ありません。


夜の9時を過ぎた頃、俺はソファに深く沈みながらスマホを眺めていた。 画面には、見慣れた派手なサムネイル。 《【衝撃】路地裏の怪しい男を、天才探偵ミサキちゃんが追跡!》 「……相変わらず無茶な動き方しとるな」 スピーカーから聞こえるのは、聞き覚えのある声。探偵系YouTuber・ミサキ。前の事件で現場が鉢合わせになった自称天才探偵だ。登録者10万人超え、行動力だけは本物——ただし計画性はゼロに近い。
コーキがミサキの動画を見るシーン
「あの人が関わると、なぜか事件が派手になるんだよな」 独り言をつぶやいたそのとき、事務所のドアが勢いよく開いた。 「コーキさん! やばいです! 本当にやばいです!!」 飛び込んできたのはケンタ。東雲大学4年生、22歳。どこか抜けたところのある、人のいい男だ。顔が青ざめている。 「落ち着け。まず座れ」 俺はスマホから目を上げて、椅子を指差した。

■ ケンタの「事件」

「いや、座ってる場合じゃなくて…」 「座れ」 「……はい」 渋々椅子に腰を下ろしたケンタは、震える手でスマホの画面を俺に見せてきた。 クレジットカードの利用明細。合計:98,340円。
ケンタがクレカ明細を見せるシーン
「ゲームの課金です。気づいたら……」 「月単位か?」 「……2ヶ月です」 思わず額に手を当てた。2ヶ月で約10万。しかも本人は「気づいたら」と言っている。 「まあいっか、で続けてたら、こうなった感じ?」 「…………そうっす。俺、就活もやめてフリーランスで食っていこうと思ってて。でも、こんなんじゃ自分で稼いでも全部溶かすんじゃないかって……」 フリーランス志望、か。それは後で聞くとして——まず目の前の問題だ。

■ コーキの分析:なぜ「気づいたら」こうなるのか

正直に言おう。ケンタが「意志が弱い」わけじゃない。 一部の課金設計は、人間の心理に強く働きかけることがある。特に、先延ばし癖があったり「まあいっか」と流されやすいタイプには刺さりやすい。理由は3つある。
⚠️ 理由① 「今すぐ得られる快感」に弱い
ガチャを引く瞬間のドキドキ感。この即時の報酬が、脳に「もう一回」を繰り返させる。「後で考えよう」が積み重なって、気づいたら大金になっている。
⚠️ 理由② 「損切り」ができない
「あと少しで目当てのキャラが出る」「ここでやめたら今まで使ったお金が無駄になる」。この思考パターンにはまると、自分でも止め時がわからなくなる。
⚠️ 理由③ 「300円」が積み重なる感覚がない
1回300円はたしかに安い。でも100回引けば30,000円。スマホの画面越しだと、この計算がリアルに感じにくい。
ケンタのケースは典型的だった。月額課金+ガチャの組み合わせで、「まだ大丈夫っしょ」が2ヶ月続いた結果だ。

■ ケイイチロウの一言

所長室からコーヒーカップを持って出てきたケイイチロウが、静かに言った。

🔍 ケイイチロウの一言

意志力で止めようとするのは最初から間違いだ。勝ち続けるのは難しい。だから仕組みで対抗しろ。

ケンタは黙って頷いた。
ケイイチロウの一言シーン

■ 解決策:「意志力」ではなく「仕組み」で止める

ケイイチロウの言う通りだ。気合いで課金を止めようとしても長続きしない。仕組みを作るしかない。
✅ 対策① 課金手段を物理的に切り離す
ゲームアカウントに紐づけているクレジットカードを外す。代わりにプリペイド式のカードを使い、月の予算分だけチャージする。残高ゼロになったら物理的に使えない。
✅ 対策② 支出を「見える化」する
家計管理アプリを使うと、ゲームに使った金額が自動で記録・分類される。「気づいたら使いすぎ」が起きにくくなる。
「ケンタ、フリーランスやるなら売上も経費も全部自分で管理することになるぞ。今のうちに金の流れを把握する習慣をつけておけ」 俺がそう言うと、ケンタは少し目を見開いた。 「……確かに。フリーランスって確定申告とかもやらなきゃいけないんすよね」 そういうことだ。だからこそ、今から使っておいて損はないのが家計簿アプリだ。収入と支出をアプリで見える化するだけで、「どこで無駄遣いしているか」が一目でわかる。ゲーム課金も、記録してみると意外な金額になっていることに気づきやすい。無料で使い始められるマネーフォワードMEが定番だ。 👉 マネーフォワードME(無料家計簿アプリ)※広告ではありません
✅ 対策③ アプリの使用時間に上限をかける
iPhoneなら「スクリーンタイム」、Androidなら「デジタルウェルビーイング」で、ゲームアプリの1日の使用時間を制限できる。設定したパスコードを信頼できる人に預けると、自分では解除できなくなってさらに効果的だ。

■ もし使いすぎてしまったら:確認と相談の手順

「これ以上使わない」仕組みと同じくらい大切なのが、「すでに使ってしまった分」への対処だ。
📋 ステップ① 購入履歴・課金通知メールを確認する
まずゲームアプリのストア(App Store / Google Play)から購入履歴を確認し、課金の全体像を把握する。クレジットカード会社のアプリや明細でも確認できる。
📋 ステップ② 返金・キャンセルを検討する場合はゲーム会社に問い合わせる
未成年が保護者の同意なく課金した場合や、家族カードを無断で使った場合は、プラットフォーム事業者やゲーム会社に状況を伝えることで、返金対応になる場合がある。ただし返金はケースごとに異なり、必ず対応してもらえるわけではない
📋 ステップ③ 消費者ホットライン「188」に相談する
対応に困ったら、消費者ホットライン 188(いやや) に電話する。消費生活センターにつながり、無料で相談できる。返金交渉の進め方なども案内してもらえる。
📋 ステップ④ 止められない・生活に支障が出ているなら専門家へ
「どうしても止められない」「借金してまで課金している」「学業・生活に影響が出ている」という場合は、意志の問題ではなく依存症として医療・心理の専門家に相談することも選択肢のひとつ。精神保健福祉センターや依存症専門の相談窓口が各都道府県にある。

■ ルリのまとめ

棚の上でじっとこちらを見ていたルリが、のっそりと体を起こした。まるで「私がまとめてやろう」と言わんばかりに。
ルリのまとめシーン

🐱 今日のまとめ

ゲーム課金は「意志が弱い」せいじゃなく、心理を突いた設計にはまっている
解決策は「意志力」ではなく「仕組み作り」
家計管理アプリは、フリーランスを目指すなら今すぐ使い始めて損はない

■ コーキの締め

「ケンタ、お前が弱いんじゃない。よくできた仕組みにはまっただけだ。でも、知ってしまえば対策できる。それが俺たちの仕事だ」 ケンタは少しだけ顔色がよくなった気がした。 「……フリーランスの話、また聞きに来ていいっすか」 「ああ。次は、もう少しまともな案件を持ってこい」 次回:ケンタ、「友人に3万円貸して帰ってこない問題」を持ち込む。
【ご注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・金融・投資助言ではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新情報と異なる場合があります。困ったときは公的窓口(消費生活センター・法テラス・日本学生支援機構等)にご相談ください。

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