※物語パートに登場する人物・団体・学校名・地名・事務所名等は、特記のない限り創作上のものです。実在の人物・団体・地域とは関係ありません。
三月になった。確定申告を乗り越えたケンタは、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあった。
クラウドソーシングでの案件も続いている。単価はまだ低いが、実績が少しずつ積み上がってきた。
そんな矢先だった。
「コーキさん、ちょっと聞いていいですか。なんか……怖くなってきて」
ケンタの声に、いつもの「やらかした感」はなかった。どこか、本当に不安そうな顔をしていた。

■ ケンタの「事件」
「SNSで、デザイナーの人からDMが来たんですよ」
ケンタがスマホを差し出した。
画面には、ある人物からのDMのやり取りが映っていた。「一緒に仕事しませんか」から始まり、「大きな案件があって、ツールのライセンスを先に揃える必要がある。立て替えてもらえると助かる」という流れだった。
「いくら要求された」
「3万円です。でも何か変だなって思って、まだ払ってないんですよ」
俺はスマホを返しながら言った。
「正解だ。払わなくてよかった」
「やっぱり詐欺っすか」
「ほぼ確実にそうだ。フリーランスを狙った典型的な手口だ」
ケンタは少し安堵した顔をしてから、眉をひそめた。
「でもそのアカウント、フォロワーも数百人いて、投稿も普通にあって。全然怪しくなかったんですよね」
「だから怖い」

■ コーキの分析:SNS上の出会いに潜む3つの罠
オンラインでの詐欺は、年々手口が巧妙になっている。「怪しい」と感じる前に、信頼させてから騙す——それが今の主流だ。

■ ケイイチロウの一言
ケイイチロウがコーヒーを持って出てきた。ケンタのスマホを一瞥して、静かに言った。
🔍 ケイイチロウの一言
信頼は時間をかけて積むものだ。一瞬で得られる信頼には、必ず裏がある。
「……じゃあ、ネットで知り合った人は全員疑えってことですか」
「疑うんじゃない。確認するんだ。時間をかけて、少しずつ」

■ 解決策:オンラインの罠から身を守る「3つの基準」
怪しい人間を見抜くより、最初から騙されにくい仕組みを作る方が確実だ。
「ケンタ、今回は気づいてよかった。でも次は気づけないかもしれない。仕組みを知っておくことが、一番の防御だ」
「……SNS、怖くなってきました」
「怖いのは正しい感覚だ。ただ、怖がって使わないより、正しく使う方がいい。フリーランスにとってSNSは営業ツールでもある」
「どうやって正しく使えばいいんですか」
「相手の時間を見ろ。一瞬で信頼させようとする人間を信じるな。それだけだ」
■ ルリのまとめ
棚の上のルリが、じっとスマホの画面を見ていた。
🐱 今日のまとめ

■ コーキの締め
ケンタが帰った後、俺はもう一度あのDMのやり取りを思い返した。
手口は丁寧で、焦らせ方も自然だった。慣れていなければ、引っかかっていてもおかしくない。
スマホを置いたとき、通知が一件入った。
ケンタのSNSアカウントに、見知った名前からコメントがついていた。
「フリーランスがんばれー!応援してるよ! by 天才探偵ミサキちゃん」
俺はそのアカウントを開いた。チャンネル登録者10万人超の探偵YouTuber。最新の動画のサムネイルに、見覚えのある路地が映っていた。
——この路地は、うちの事務所の前だ。
いつ撮った。
俺はしばらくスマホを持ったまま、窓の外を見た。今日は人影は見えない。
でも、いないとは限らない。

次回:ケンタ、「信頼していた人に利用されていた」と気づいてしまう。
※物語パートに登場する人物・団体・学校名・地名・事務所名等は、特記のない限り創作上のものです。実在の人物・団体・地域とは関係ありません。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・金融・投資助言ではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新情報と異なる場合があります。困ったときは公的窓口(消費生活センター・警察・国民生活センター等)にご相談ください。

